( 「労政時報」 第3874号 2014年9月26日発刊 掲載記事 : 一般財団法人 労務行政研究所 発行)
特集1
中堅・中小企業の人材育成策
多彩な施策で社員の気づきと成長を促す4社の事例
事例①
日本レーザー
毎週全社員が書く「今週の気づき」メールなど、社員の成長を促す多彩な仕掛け
取材対応者:代表取締役社長 近藤宣之氏
ポイント
❶向上心を刺激する「基礎能力手当」:英語力、PC / ITリテラシー、対人対応能力に応じて毎月手を支給。英語力の手当は、TOEIC の点数が基準
❷自らを振り返る「今週の気づき」:全社員が毎週、その週に得た“気づき”を上司・役員にメールし、フィードバックを受ける。日常の気づきを成長に結びつける
❸「社長塾」による熱い指導:週1 回、経営トップが自ら社員を教育する「社長塾」を開催。さまざまなテーマで、熱意あふれる指導を行っている
1 . 基本的な考え方
モチベーションが高まる組織・風土とし、一人ひとりの成長意欲を引き出す
●雇用の確保が大前提
社員の成長は企業の成長─第1 回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞(2011年。主催:法政大学大学院中小企業研究所、あさ出版、日刊工業新聞社)の中小企業庁長官賞にも輝いた日本レーザーが“人を大切にする経営”を貫く背景には、代表取締役社長 近藤宣之氏の強い信念がある。
同氏は、大学卒業後、日本レーザーの当時の親会社である日本電子に就職。20代で労働組合の委員長となり、正社員の3 分の1 に及ぶ約1000人ものリストラを経験する。また、40歳でアメリカに渡り、現地法人において支社閉鎖などの合理化を担当。「長く組合費を払ってきた自分が、なぜ首を切られるのか」と訴える組合員。「レイオフがないから日本企業に就職したのに」と泣くアメリカ人社員……。退職を余儀なくされた多くの社員と接する中で、「雇用を守ることが、経営者としての最大の責任」という考えに行き着いた。
雇用を守るためには、企業は利益を上げ続けなければならない。その原動力となるのが人の力である。
...(以下略)
※全文は添付ファイルを参照ください※