(「 税務弘報」 2013年1月号 特集 PART Ⅱ 求められる税理士像 掲載記事 : 中央経済社 発行)
インタビュー 求められる税理士像
(株)日本レーザー代表取締役社長
近藤宣之
「勇気ある経営を支えたプロフェッショナル」
2011年5月に「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞・中小企業長官賞に輝き,2012年10月に東京商工会議所の「勇気ある経営大賞」大賞を受賞した(株)日本レーザー。
1994年から当時親会社だった日本電子から出向して代表取締役社長を務め,会社の再建,黒字化を達成したのが近藤宣之社長だ。社長が断行した経営改革の中でも特に注目すべきなのが,親会社から独立を果たした2007年のMEB0だ。なぜ,MEB0だったのか,そしてどんな仕組みを考えたのか, またその際にアドバイスした税理士の役割は何だったのか,日本レーザーの財務戦略と併せてお聴きした。
○世界でも例がないビジネスモデル
MBOではなくM 「E」 BO
会社の独立の際によく活用される手法がMBOです。MBOとは,経営者だけが,上場廃止するために株式を買い集める手法です。当然なるべく安くオファ-し,一部の役員が私物化していくわけですから,株式の希薄化も避けられずあまり評判もよくありません。MBOにはそういった問題を感じていたので,独立するのであれば,従業員も巻き込んだMEBOにしようと考えたわけですね。
ファンドの排除
MEBOの中にもいろいろな種類がありますが,当社のような形のMEBOは日本で全く例がない。そして世界に1社しかないビジネスモデルなんです。それはなぜか。
まずMEBOで会社を買うためには何億円とかかります。当然, 社員の出資金だけでは買えません。
そうすると,ファンドや銀行借入金でまかなうことになります。しかし,ファンドが入ってくると,独立して会社が成長した時に,ファンドは,別の会社に株式を売るか,株式を公開してキャピタル・ゲインを得るか,そういう方向性でリターンを得ようとします。このエグジット戦略でわれわれと利害が対立するわけです。
...(以下略)
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