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社員の成長と企業発展の要諦 ―『進化した日本的経営』の推進 ―

2013年3月26日
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 「労政フォーラム」(平成25年4月号日本リーダーズ協会 発行  掲載記事)

過日開催された「HRあり方研究会」は、「社員の成長と企業発展の要諦」と題し、㈱日本レーザー社長である近藤宣之氏よりレクチャーを頂いた。同氏は、親会社である日本電子㈱在職中に労働組合の委員長を十一年勤め、その後経営側として、米国勤務では大規模なリストラ、会社再建に携わった経験を持つ。現在は、日本電子㈱からMEBOにより独立した㈱日本レーザーの社長を務めている。

「進化した日本的経営」を推進している同社は、表彰基準が異なる三つの経営大賞(「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞で中小企業庁長官賞、「新宿区優良企業表彰」で経営大賞(新宿区長賞)、東京商工会議所「勇気ある経営」大賞)を受賞している。いま最も注目されている企業と言っても過言ではない、㈱日本レーザー社長である近藤宣之氏からのレクチャーを以下に紹介する。

◆はじめに

私は二十八歳で日本電子㈱労働組合の委員長になり、労働組合の委員長は十一年、現在の社長業は今年で二十年目になります。

私の原点は二十八歳で労働組合の委員長を経験したことです。当時はまだ労働運動が激しい時代でしたが、健全な労使関係を目指して、民主的な労働運動を我々は行ってきました。

そんなに頑張ってきたにもかかわらず、ニクソンショック(円高)、オイルショック(原油価格が四倍)後に、会社は経営破綻し一年間にわたって一千名以上、二度目の六百人の希望退職に対しては七百十五人応募するような、悲惨なリストラをせざるを得ない状況になりました。そして、組合を降りたらアメリカに行けということで、ニュージャージーへ行き、土地建物すべて自社のものだったのにすべて売却して全員解雇しました。これはそういう指示なので従うまででした。そして、ボストンに行っている時に冷戦が終わり、製品には軍事用の研究開発機器が含まれたものでしたから、売り上げが四割くらい落ちました。日本的な経営だったのにいわゆる指名解雇をせざるを得なかったですね。そういう経験をしました。

◆経営破綻する会社の共通の理由

どんなに良い会社でも、駄目になるときは駄目になります。負けに不思議はないのです。私は、いまでも日刊帝国ニュースを読んでいます。それはなぜか。会社が毎日潰れている現実を見るためです。初心に返るために毎朝帝国ニュースを見ています。それには潰れた会社の理由が書いてあるのですが、駄目になる会社というのは、ほとんど共通しています。

それは、一つはお客さんが減ってくる。お客さんが減ってくると売り上げが落ちて、受注が落ちてくる。では、お客さんが減る理由というのは何か。例えば隣に競合の大型ショッピングセンターが出来たとか、少子高齢化でシャッター通りになったとか、中国から安いものが入ってきたとか、円高になって売れなくなったとか。いくらでもお客さんが減ってくる理由があり、そして売り上げが減っていく。これが一つの理由です。

では、二つ目は、そうなってもいずれ景気が良くなればなんとかなるという考えです。金融円滑法で銀行は経営状況が悪い企業でも生き伸ばしてきました。中には良い会社もありますけれども、そうでない会社も生き伸ばして、努力をしないで生き延びられる会社を作ってしまった。そういうことで生き延びていると、危機感が無くなってくるのです。何とかなるやということで、他人に責任を転嫁してしまう。だから、危機感が無くなってしまう

...(以下略)

※全文は添付ファイルを参照ください※