( BigLife 21 [ビッグライフ社 × 創光技術事務所 共同企画インタビュー] 掲載記事 =その3=)
日本レーザー、近藤宣之氏の特別インタビュー第3弾。日本レーザーは、親会社の日本電子から、経営者と従業員が参加する会社買収MEBO(Management Employee Buyout)で独立する。
そこに至る過程には、大手の下請けや子会社をしている中小企業によくある理不尽な圧力があった……。
(前号記事HPにて公開中!)
◆聞き手:創光技術事務所/筒井 潔氏・塩入千春氏 ◆取材・文:渡辺友樹
正しかった損
MEBOによる独立
〈前号のあらすじ〉中小企業によくある親会社からの理不尽な対応の数々を受けて、遂に独立を決意する日本レーザー。近藤氏は、社員全員が株主になれる仕組みをつくる。子会社のままでは将来がないという気持ちから、全員が出資することになった……。
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近藤 : さて、じゃあどうやって独立するかということになった。
まずはIPO(株式の新規公開)をかければ、親会社も子会社もなくなるから自由になるのではないかと考えた。しかし、IPOをすれば、人を見た経営は難しくなり、どうしてもお金(市場)を見た経営にならざるを得ないと思ってやめました。親会社の制約は少なくなっても、外部に株主がいる点では同じだと。
次はM&Aで、日本電子よりもレーザー業界に理解のある会社に買い取ってもらうことも検討しました。いくつか候補となる会社もあったんですが、これも親会社の名前が変わるだけで同じことだと、M&Aもやめました。次に検討したのはMBO(マネジメント・バイアウト、経営陣が株式を買い取るM&A)で、僕も株を10%持っていましたから、我々マネジメントが日本電子の株を買い取るという手もあった。ただそれでは経営陣だけがオーナー意識を持ち、うまくいった場合も経営陣だけがキャピタルゲインを得ることになるからこれも良くないと。そうではなくて全員でやろうと。
そのためにはホールディング会社を作って、そこに社員みんなで出資して、そのホールディング会社が日本レーザーを買収する形がいいだろうということになった。そういうことで、スキームはできた。
...(以下略)
※全文は添付ファイルを参照ください※