( 労働新聞 2023年8月7日 『ぶれい考』掲載記事 : 株式会社労働新聞社 発行)
ぶれい考
欠かせない「働きがい」
(株)日本レーザー 代表取締役 近藤 宣之
2010年代後半から現在に至るまで、労働関係法令では多く改正が実施された。その結果いわゆるブラック企業は減ったが、新たな問題として「ゆるブラック企業」や、「ゆるい職場」として紹介されるケースが出てきた。法的な裏付けをもった「働き方改革」により、労働時間が短縮され、各種の有給休暇が取りやすくなり、間違いなく職場環境や労働条件の改善は進んだ。それにもかかわらず、新入社員の3年未満での離職率は低下していない(厚生労働省調査)。
「働き方改革」は、長時間労働の撲滅などの働きやすさの追求からはじまっており、多様な社員の意欲向上や、働きがいの実現にもつながるとも期待されていた。しかし数年間の取組みの結果をみると、職場内から”仕事に向き合う厳しさ”が減少したという影響の大きさを感じる。意欲ある社員からすると、「この会社で果たして成長できるのだろうか」という「不安」が増してきているようだ。
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