(「ji ジャパニーズ インベスター」 2012年 Spring 特集 掲載記事:宝印刷株式会社 発行)
『日本でいちばん大切にしたい会社』著者・坂本光司教授に聞いた
これからの企業経営戦略
長期低迷する景気、大規模なリストラ、度重なる企業の不祥事……。日本企業を取り巻く社会環境は、これまでになく厳しい状況となっており、そこに働く人々も常にどこかに不安を持ちながら日々働いている。こうした中、ある一冊の本に注目が集まっている。
シリーズ累計55万部を超えるベストセラーとなった『日本でいちばん大切にしたい会社』。
その著者である坂本光司氏(法政大学大学院教授)に本当に「いい会社」とは何なのかを訊いた。
── 数多くの会社を見てきたと思いますが、これまでに何社ぐらい訪問されてきたのでしょうか。
これまでに私が訪問した会社は、北は北海道から南は沖縄まで、日本全国で6600社以上になります。
今でも週2日、大学が休みになる夏休み、冬休みの時期はほとんど現場に出ています。私のモットーは「現場に出て中小企業研究や、がんばる中小企業の支援をする」ことです。だから、「現場にこそ解がある、答えがある」という考えで、多くの会社を訪問してきました。
── 訪問する会社はどのようにして選ばれているのでしょうか?
私の本を読んだり、雑誌の記事を見たりした方々からメールや手紙を直接いただくことが非常に多く、たとえば『日本でいちばん大切にしたい会社』を読んで年間300~500人の方から自薦や他薦、そのほか相談などのメールがきます。また、講演も非常に多いので、講演を聞いた方からメールをいただいたり、当日会場で言われたりすることもあります。もちろん、私自身も新聞や雑誌を読んで、記事の大小にかかわらず情報収集をしています。毎朝、新聞は5~6紙は読んでいますね。
── これまで訪問された中で「いい会社」はどの程度あるのでしょうか?
残念ながら、全体から言えば、「いい会社」は少数派です。業績だけで言えば2割、世の中に紹介したい、あるいは賞賛したい「いい会社」は1割程度ですから、およそ660社ぐらいですね。
...(以下略)
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