(月刊『ニュートップリーダー』2013年3月号 No.42【闘うトップ】Vol.33 掲載記事 : 株式会社日本実業出版社 発行)
闘うトップ vol.33
雇用の確保でモチベーションを高め
「脱子会社」「脱赤字」を実現する
株式会社日本レーザー社長
近藤宣之氏
親会社からの「天下り」で日本レーザーの社長に就任した近藤宣之社長。倒産寸前の危機を脱し、就任以来、19期連続黒字を継続している。
また、2007年には国内で成功例の少ないMEBO を実施して、親会社からの独立も果たした。
近藤社長が、その経営観とこれまでの歩みを語る。
レーザー機器専門商社の日本レーザーが債務超過に陥り、倒産の危機に見舞われたのは、一九九三年のことだった。
バブル経済の崩壊後、経営環境の変化に対応できず、業績が低迷。顧客の減少と受注不振によって、三期連続の赤字に沈んだ。九三年当時の累積債務は、約一億八〇〇〇万円。
しかし、メインバンクは新規融資に応じることなく、暗に破綻処理を求めた。
窮した経営陣は、親会社である日本電子(電子顕微鏡等開発・製造、一九四六年創業、東証一部上場)と対策を協議。同社からの貸付で当面の資金を手当てしつつ、翌九四年、新たに同社から社長を迎えて、再建を託すことになった。
白羽の矢が立てられたのは、取締役営業副担当であった近藤宣之社長。当時、役員中最年少の四九歳。労働組合執行委員長を一一年間務めたリーダーシップと長い海外生活で培われた海外人脈や語学力、国内市場も経験した営業実績などが評価されてのことだった。
だが、就任早々の近藤社長に強烈な逆風が吹きつける。次期社長就任に意欲を示していた役員らが、親会社からの「天下り」に反発して独立。売上の上位を占めていた海外の有力商権を奪われ、社員数名を引き抜かれてしまった。
...(以下略)
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