( 「道経塾」 2014年9月号 よき社風をきずく 【特集 〈対談〉すべての活力の源泉は人にあり】掲載記事 : 公益財団法人 モラロジー研究所 発行 )
<対談>すべての活力の源泉は人にあり
「大切にされている実感」が社風をつくる
経営者と社員、社員と社員の心がどれほど結びついているか。その真価は会社が危機を迎えた時に試される。では平時からよき社風をつくるには何が必要なのか――。
三度の会社再建を成功させ、倒産寸前の会社を中小企業のモデルへと高めた(株)日本レーザー社長の近藤宣之氏と、感動のサービスの舞台となった伝説のホテル「アソシア名古屋ターミナル」の総支配人の柴田秋雄氏に対談いただいた。
プロセスを忘れた経営者たち
近藤 今日は名古屋から弊社までお越しいただいて、ありがとうございます。
「社風」というテーマの特集と知って、ぜひとも柴田さんと対談したいと思いました。思い返せば、本当に柴田さんとは不思議なご縁ですね。
柴田 いや、懐かしい。近藤さんとはもう何年ぶりだろう。三十年くらいになりますか。
近藤 もっとなるかもしれませんね。
あのころは私も柴田さんも、それぞれの労働組合のリーダーとして、労使関係の民主化をめざして、左翼系の組合と懸命に闘っていましたね。
柴田さんは、あの国鉄のすさまじい鉄道労働運動を闘い抜かれて、昭和六十二年の民営化後は、JR東海の第一組合の書記長となられました。そのあと、JR東海のホテルの総支配人、つまり経営側のトップにもなられた。私も組合の委員長から、五十歳で経営者になった人間ですが、国鉄のような大組織で、柴田さんのような経験をした人はほかにないんじゃないですか。
柴田 組合の役員をやった人間が、会社の役員になったなんて例は、JR東海の歴史上、おそらく僕が初めてです。
...(以下略)
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